読書日誌。

読んだ本の心に残った文などを書き留めています。

「なぎさ」山本文緒

なぎさ (単行本)なぎさ (単行本)
(2013/10/19)
山本 文緒

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フミオさんの本は大好きで全部読んでる。

と思ってたのに、私としたことがこれを読んでなかった。

人間のどす黒いところをえぐりだすところは相変わらずでさすがです。

「群れの中にこうやって悪人はさりげなくまじっている」

これは川崎君がバイトの女の夫に対して感じたこと。

所さんがモリについて

「人の心の撫で方をよく知っている。人たらしだ。
わかりやすい悪い人間よりもっと気をつけないといけない」

これらのことは私もよく感じる。
もっとも注意が必要なのは、普通の顔をした悪人だ。

普段は普通以上に感じがよいために
余計にブラックさを感じる。

周囲の人たちがそのブラックさに全く気付いていないかのように
振る舞っているのが
(または本当に気づいていないのか)
また怖い。

今回は後味がよろしくなかった。
早く次作が出ないかな。