「鴻上尚史のほがらか人生相談 息苦しい「世間」を楽に生きる処方箋 」
「同調圧力」と「自尊意識の低さ」が「宿痾」です。
「自尊意識」とは、自分を大切にし、自分をバカだと思わず、
自分が生きていていいのかと疑問に思わず、
自分の発現に自信がなくて言いたいことが言えないなんてことがない、
自分はかけがえのない自分であるという意識です。
どちらかが「おみやげ」を受け取るだけで、
何も返さなくなったら、その関係は終わるだろうと思っているのです。
利害関係とはちょっと違います。
「おみやげ」関係は、もっと人間同士の受け渡しというか、
大きなことからささいなことまで、物質的なことや精神的なこと、
気持ちまで含んだ全体的な関係のことです。
「かわいそう。何とかしてあげたい」と思うことは、
とても気をつけないと相手を無意識に見下すことになるのです。
この無意識な優越感をこじらせた人を主人公に
アガサクリスティが小説を書いています。
「春にして君を離れ」
気晴らし方法
「自分は10年先から戻ってきたと思う」という方法
タイムマシンを使ったか、時間の奇跡が起こったかして、
10歳若返って今、いるんだと考えるのです。
ほめられて手にするのは、自尊意識とか肯定感とか充実感です。
つまりは「自分の人生には意味がある」という貴重な感情です。
何も自慢することのない人もこの感情は欲しいです。
いえ、何も自慢することがなければないほど、「自慢する」という
感情は欲しくなります。
舐められやすいキャラを変えたい
「イヤなときはイヤという」だけです。
頑固なまでに、どんくさく、とにかく、イヤな時には
イヤなんだと言うのです。
普段は今までどおりニコニコしていることが素敵だと思います。
でも、はっきりと「イヤだなぁ」とか「理不尽なことを求められている」と
思ったら、それを口にするのです。
それはワガママでも勝手でもありません。
回答は、いつも、「できるかどうか」を基準にしました。
理想だけを語っても、どんなに勇気づけても、
できないことはできないものです。